今回は、TEAP(ティープ)の紹介です。
英語を学ぶうえで、1つの目標として検定を利用されている方や受検を考えている方、入試への活用を考えている方などに参考になれば幸いです。
昨今、英語によるコミュニケーション能力(特に話す・書くといった発信力)が課題となっており、英語教育の抜本的な改革が進められています。
英語の4技能の強化が急務となっています。
※英語教育の英語4技能とは⇒LSRW Listening(聞く) Speaking(話す) Reading(読む) Writing(書く)
大学入試でも4技能の総合的な能力の評価が必要とされ、
2019年の時点で、活用される民間の資格検定試験「認定試験」は以下の7つです。
・英検(実用英語技能検定) ・TOEIC(トーイック) ・GTEC(ジーテック) ・TOEFL(トーフル) ・IELTS(アイエルツ) ・TEAP(ティープ) ・ケンブリッジ英語検定
これらの検定は、統一して、国際的な外国語の評価基準「CEFR」でA1~C2の6段階で評価されます。
概要と特徴【TEAP】
実施団体
TEAPは、英検を運営する公益財団法人の日本英語検定協会により実施されています。
これは、上智大学と共同開発されたテストで、ReadingとListeningの受容技能だけでなく、WritingとSpeakingの産出技能も測れる4技能重視の試験として実施されています。
概要
TEAP(Test of English for Academic Purposes)は、大学で学習・研究する際に必要とされる英語力を測定するテストです。
2014年より実施が開始された比較的新しい検定試験と言えます。
大学入試を想定されて設計されています。
したがって日本の約120の大学が採用しており、テスト内容は、全て大学教育で遭遇する場面を考慮して作成されいます。
EFL環境の大学で行われる授業での英語を理解し、考え伝えることが出来るかの指標になります。
※EFL環境とは EFLは、English as a Foreign Languageの略。 外国語としての英語、 つまり英語以外の言語が広く使用されている環境のこと。 日本国内で英語学ぶ環境と言い換えても良いかも。 ※他にも... ESL(English as a Second Language) 第二言語としての英語、 つまり英語が広く使用されている環境で英語を学ぶ。
- 2技能⇒Listenig+Readingのみ
- 4技能⇒LSRW
CBTは4技能試験だけです。
※CBTとは CBT(Computer Based Testing)とは試験をコンピュータ上で行うことです。
試験とスコア・バンド【TEAP】
TEAPは英検のように級が設定されているわけではありません。
合格不合格ではなく、スコアとバンドでフィードバック(評価)します。
TEAP4技能ごとにスコアが出されそれぞれCEFRのA2~C1で測定できます。
CEFR | 総合スコア | Listening | Reading | Writing | Speaking | 英検 | (TEAP CBT) |
C2 | – | – | – | – | – | – | – |
C1 | 400~375 | 90~ | 90~ | 96~ | 99~ | 1級 | 800 |
B2 | 374~309 | 89~68 | 89~71 | 95~82 | 98~88 | 1級準1級 | 795~600 |
B1 | 308~225 | 67~54 | 70~52 | 81~59 | 87~60 | 準1級2級 | 595~420 |
A2 | 224~135 | 53~34 | 51~34 | 58~33 | 59~34 | 2級準2級 | 415~235 |
A1 | – | – | – | – | – | 準2級3級 | – |
なお、右に参考として英検の目安となる級を、さらにTEAP CBTのスコアを記載しています。
個人個人のスコアに基づいて、今後の学習についてコメントをしてくれます。
TEAPは高校生の英語教育という側面もあり、他の検定試験と大きく違うポイントでしょう。
スコアだけでなく、英語でどのようなことが出来るか、自分の現状を明らかにしてくれます。
英語が実生活の場面で、どの程度使いこなせるかを知ることができます。
試験の詳細【TEAP】
試験時間
セクション | 時間 | 問題数 | 解答方式 |
Reading | 70分 | 60問 | マークシートによる択一選択方式 |
Listening | 約50分 | 50問 | マークシートによる択一選択方式 |
Writing | 70分 | 2問 | 解答用紙への記入 |
Speaking | 約10分 | 4問 | 1対1の面接方式 |
セクション | 時間 | 問題数 | 解答方式 |
Reading | 80分 | 50問 | コンピュータによる択一選択方式 ドラッグ/ドロップによる解答あり |
Listening | 約40分 | 36問 | コンピュータによる択一選択方式 |
Writing | 約50分 | 5問 | コンピュータの解答エリアへのタイピング |
Speaking | 約30分 | 8問 | 録音方式 |
今後は、効率化・省人化の面からCBTによる試験が広まるのではないかと考えられます。
コンピュータなどの電子機器を扱い方は慣れておく必要がありますね(^-^)
実施回数・場所・検定料
2020年には、TEAPは7月9月11月、TEAP CBTは6月8月10月に実施されます。
- 北海道
- 宮城
- 秋田
- 茨城
- 栃木
- 群馬
- 埼玉
- 千葉
- 東京
- 神奈川
- 新潟
- 石川
- 長野
- 静岡
- 愛知
- 京都
- 大阪
- 兵庫
- 広島
- 香川
- 福岡
- 長崎
- 熊本
※TEAP CBTは13都道府県となっています。
- 北海道
- 宮城
- 埼玉
- 千葉
- 東京
- 神奈川
- 長野
- 愛知
- 京都
- 大阪
- 兵庫
- 広島
- 福岡
2技能のみは6,000円です。ただし、4技能の必要性が高まっていますので、基本は4技能の試験を受けることをおすすめします。
見本問題【無料】
無料の見本問題が”こちら”から閲覧することができます。※出典;公益財団法人日本英語検定協会より
表紙に書いてある諸注意も見ることができるので、試験中の注意点も確認できます。
問題構成
3つのパートに分かれて、6つの大問があります。
大問 | 小問数 | 出題形式 |
Part1 | 20問 | 語彙・語法 |
Part2 A | 5問 | 図表の読み取り |
Part2 B | 5問 | 掲示・Eメールなどの読み取り |
Part2 C | 10問 | 短い英文の読み取り |
Part3 A | 8問 | 長い英文の読み取り |
Part3 B | 12問 | 長い英文の読み取り(図表も含む) |
2つのパートに分かれて、5つの大問があります。
大問 | 小問数 | 出題形式 |
Part1 A | 10問 | 短い会話の聞き取り(学校に関係する場面が多い) |
Part1 B | 10問 | 短い英文の聞き取り(授業・講義などの聞き取り) |
Part1 C | 5問 | 短い英文の聞き取り(図表と組み合わせた聞き取り) |
Part2 A | 9問 | 長い会話の聞き取り(学校に関係する場面、人物が3人なる場合もある) |
Part2 B | 16問 | 長い英文の聞き取り(授業・講義などの聞き取り) |
大問が2つ出題。
大問 | 出題形式 | 内容 |
Task A | 課題文の要約 | 説明文・評論文などの要約を70語程度で書く |
Task B | エッセイ | 複数の情報(図表も含む)に基づいてエッセイ(自分の考えなど)を書く |
4つのパートに分かれています。
大問 | 出題形式 | 内容 |
Part1 | 受験者の生活に関する質問(質問は複数) | 受験者自身のことについて説明する |
Part2 | 受験者がExaminerにインタビュー(ロールプレイ型) | 対話における効果的なやりとり(対話のリード) |
Part3 | 1つのテーマに沿ったスピーチ | 与えられたテーマに関して、まとまりのあるスピーチをする |
Part4 | Q&A(質問は複数) | 与えられた話題に関する質問に答える。 |
※以上問題構成は、 公益財団法人日本英語検定協会より引用
注意点
高校3年生の大学入試を想定して開発されていますが、早期受験は可能です。
受検したあとの2年間のみ有効です。
正確には2年度となっており、有効期限が過ぎると再発行できなくなるので注意が必要です。
大学入試への活用【TEAP】
TEAPを大学入試に利用する大学は数多くあります。利用方法としては主に4つの方法です。
大学によって、学部学科、入試方式により大きく変わります。
以下にTEAPを入試に利用できる大学の大学名のみ一部紹介します。
千葉大学 | 東京海洋大学 | 金沢大学 | 広島大学 |
九州大学 | 九州工業大学 | 佐賀大学 | 長崎大学 |
鹿児島大学 | 宇都宮大学 | 筑波大学 | 福島大学 |
九州大学 | 国際教養大学 | 兵庫県立大学 | 名古屋工業大学 |
中央大学 | 明治大学 | 法政大学 | 早稲田大学 |
立命館大学 | 関西大学 | 西南学院大学 | 広島修道大学 |
南山大学 | 東北学院大学 | 北海学園大学 | 関西学院大学 |
上智大学 | 東京理科大学 | 学習院大学 | 立教大学 |
成城大学 | 順天堂大学 | 駒澤大学 | 首都大学東京 |
専修大学 | 拓殖大学 | 東京電機大学 | 東洋大学 |
獨協大学 | 日本大学 | 同志社大学 | ... |
などなど、、、詳しくは大学の入試要項をご覧ください(._.)
では、「TEAP」の紹介は以上になります。
英語4技能の力をつけることもできますが、日本の大学入試におけるメリットが大きいのが「TEAP」と言えます。
高校生や浪人生などぜひ挑戦してみてください(^O^)/