【英語を学ぶ】「英検」とは【幼児教育から大学入試への活用も】

今回は、英検の紹介です。

英語を学ぶうえで、1つの目標として検定を利用されている方や受検を考えている方、入試への活用を考えている方などに参考になれば幸いです。

昨今、英語によるコミュニケーション能力(特に話す・書くといった発信力)が課題となっており、英語教育の抜本的な改革が進められています。

英語の4技能の強化が急務となっています。

※英語教育の英語4技能とは⇒LSRW
Listening(聞く)
Speaking(話す)
Reading(読む)
Writing(書く)

大学入試でも4技能の総合的な能力の評価が必要とされ、

2019年の時点で、活用される民間の資格検定試験「認定試験」は以下の7つです。

・英検(実用英語技能検定)
・TOEIC(トーイック)GTEC(ジーテック)TOEFL(トーフル)IELTS(アイエルツ)TEAP(ティープ)ケンブリッジ英語検定

これらの検定は、統一して、国際的な外国語の評価基準「CEFR」でA1~C2の6段階で評価されます。

概要と特徴【英検】

実施団体

公益財団法人日本英語検定協会により実施されています。

日本英語検定協会による英検事業
  • 1963年
    創設

    多くの人が学習目標を持ち、学習意欲を高める目的で技能検定の必要性が高まる。

    協会が設立され文部省後援のもと第1回が実施される。

    当初1・2・3級のみ、志願者3万7千人程度であった。

  • 1966年
    4級新設

    社会教育の面だけでなく生徒に向けた基礎の級を導入。

  • 1970年
    準1級・5級新設

    1級と2級の程度の差を適性にするため”準”1級という名で加わる。

  • 1994年
    準2級・児童英検の実施

    現在は”英検Jr.”という名称の児童向けの検定がスタート。

  • 1997年~
    リニューアル・改定

    よりコミュニカティブに試験方法や評価方法を変更。

    出題形式などの改定が進められている。

  • 2012年
    公益財団法人へ

    公共性と公益性の高い団体として内閣総理大臣より認定書を受理。

「日本の実用英語の普及・向上」を目的として設立50年以上の歴史ある団体です。

概要

英検は正式に「実用英語技能検定」と呼ばれ国内最大規模の英語検定です。

  • 7つの級のレベル
レベル試験の特徴・形式など
1級大学上級レベル2次試験では2分間のスピーチ(面接は約10分)
意見を論理的に伝える発信力が必要
準1級大学中級レベルReadingでは意味の理解だけでなく、
真意を解釈したうえで解答する力が必要
2級高校卒業レベル社会性の高い医療やテクノロジーなど話題から出題
準2級高校中級レベル教育や科学などの題材が出題
3級中学卒業レベル海外の文化などから出題。2次試験が加わる
4級中学中級レベル長文読解が出題
5級中学初級レベル趣味や家族のことなど身近な話題が出題

  • 4・5級は2技能で合否判定

4・5級はListening(聞く)とReading(読む)の2技能のみで合否判定されます。

4・5級Speaking(話す)テストも受験可能

4・5級を申し込んだ全員にコンピュータ端末を利用したSpeakingテストが受験可能です。

  • 成績表に記載される「ID」「パスワード」と録音できるコンピュータ端末が必要

受験開始日から1年以内に受験サイトにログインして受験し、1か月後にWeb上で結果を閲覧することができます。

  • 3級~1級は4技能で合否判定

3級からWriting(書く)Speaking(話す)の測定があります。

1次試験で記述があり、2次試験で対面式の面接によって測定されます。

2次試験は1次試験合格者のみ受験可能です

※1次試験免除について
過去1年以内に1次試験に合格し、
2次試験を受けていない、あるいは、
不合格になった場合、出願時に申請すれば
2次試験のみ受験できます。
  • ダブル受験

連続した2つの級は受験可能です。

試験の詳細【英検】

試験内容・問題数

  • 5級(中学初級レベル)
測定技能時間問題数形式・課題
Reading25分25問短文や会話文の語句補充・語句整序など
Listening20分25問会話の応対、イラスト内容選択など
  • 4級(中学中級レベル)
測定技能時間問題数形式・課題
Reading35分35問短文や会話文の語句補充・語句整序・長文読解など
Listening30分30問会話の応対、文の内容選択など
  • 3級(中学卒業レベル)
測定技能時間問題数形式・課題
Reading
Writing
50分30問
1問
短文や会話文の語句補充・語句整序・長文読解など
質問に対する回答を英文で答える英作文
Listening25分30問会話の応対、文の内容選択など
Speaking5分6問音読・質問応対・イラスト・受験者自身についてなど
  • 準2級(高校中級レベル)
測定技能時間問題数形式・課題
Reading
Writing
75分37問
1問
短文や会話文の語句補充・語句整序・長文読解など
質問に対する回答を英文で答える英作文
Listening25分30問会話の応対、文の内容選択など
Speaking6分6問音読・質問応対・イラスト・受験者自身について・意見表明など
  • 2級(高校卒業レベル)
測定技能時間問題数形式・課題
Reading
Writing
85分38問
1問
短文や会話文の語句補充・語句整序・長文読解など
指定されたトピックについて英作文を書く
Listening25分30問会話の応対、説明文・物語文の内容選択など
Speaking6分6問音読・質問応対・イラスト・受験者自身について・意見表明など
  • 準1級(大学中級レベル)
測定技能時間問題数形式・課題
Reading
Writing
90分41問
1問
短文や会話文の語句補充・語句整序・長文読解など
指定されたトピックについて英作文を書く
Listening25分29問会話の応対、説明文の内容選択、Real-Life形式など
Speaking8分4問自由会話・イラスト・受験者自身について・意見表明(社会問題)など
※Real-Life形式とは
実生活でありうる状況を取り上げた形式
・施設のアナウンス
・カスタマーセンターの案内放送
・留守電メッセージ
などの状況などからリアルな場面を想定しています。
  • 1級(大学上級レベル)
測定技能時間問題数形式・課題
Reading
Writing
100分41問
1問
短文や会話文の語句補充・語句整序・長文読解など
指定されたトピックについて英作文を書く
Listening35分27問会話の応対、説明文の内容選択、Real-Life形式・インタビューなど
Speaking10分1問自由会話・スピーチ・Q&Aなど(面接委員2人)

実施回数・場所・検定料

  • 年3回実施
  • 5月末~6月上旬
  • 10月上旬~中旬
  • 1月下旬ごろ

おおよそ上記のような時期に実施されます。申し込みの受付締め切り日は、おおよそ試験日の1か月前になることが多いです。

  • 1次試験は全国各地で実施

学校・塾・企業などの団体が各地で実施しています。会場を見つけるのに苦労はしないでしょう。

他の民間の検定試験と違い最大のメリットは受験地が多いことでしょう。誰でも気軽に受験できます。

※2次試験は会場は指定できない
希望の受験地は1次試験で選択できます。
ただし、会場は1次試験の結果表に
記載される会場で受けなければなりません。
  • 検定料

本会場と準会場で検定料が異なります。同日のテストで問題内容の違いなどはありません。

準会場は、英検協会とは別の民間の教育機関が試験運営する分、団体割引が適用され1,000円安くなります。

ただし準1級・1級は準会場では受験できないことに注意です。

本会場準会場
1級(大学上級レベル)9,500円
準1級(大学中級レベル)7,600円
2級(高校卒業レベル)6,500円5,500円
準2級(高校中級レベル)5,900円4,900円
3級(中学卒業レベル)4,900円3,900円
4級(中学中級レベル)3,600円2,600円
5級(中級初級レベル)3,000円2,000円

英検対策ツール【無料】

英検協会から公式の対策サービスが用意されています。

単語・熟語・文法・リーディング・リスニング・ライティング・過去問・面接対策と5~2級までの学習が可能です。

ライト」「ベーシック」「プレミアム」の3つプランがあります。

残念なのが、プレミアムは月額3,980円と費用が掛かることです。なおかつ、「ライト」「ベーシック」は使える機能に制限があります。

市販されている教本や過去問、あるはタブレットでオンライン学習を購入してしっかり対策するのがいいです。

入試への活用【英検】

英検とCEFR

英検の成績表には国際標準規格CEFRに対応した「英検CSEスコア」というものが記載されます。

英検CSEスコア
Common Scale for Englishの略
CEFRとの関連性を持たせた国際的なスコア尺度です。
0~4000の幅でCEFRと下の図のような対応です。
出典;公益財団法人日本英語検定協会「英検CSEスコア」より引用

各級の「英検CSEスコア」と「CEFR」を抜粋すると以下のようになります。

英検級英検CSEスコアCEFR
1級2630~3400C1
準1級2304~3000C1~B2
2級1980~2600B2~B1
準2級1284~1800B1~A2
3級1099~1650A2~A1
4級622~1000
5級419~850
  • 英検1級でもCEFR最高評価のC2は得られない
  • 英検4・5級はCEFR下限のA1にはならない

この2点には注意が必要です。英検4・5級が意味がないということではありません。3級への基礎作りにもなります。小中学生はぜひ受験していただきたいです。子どもは合格すると自信がつき、後の学習意欲アップにもつながりますので。

入試への活用

高校・大学入試への活用は全国に広がっています。詳しくは下記の内容を確認してください。

では、今回は以上になります。

英語の力試しと言えば英検でしょう。楽しいのであれば目標なしの勉強も良いかもしれません。

とはいえ、どうせ勉強するのであれば、自分の英語力の客観的な評価を知るのもいいのではないでしょうか。

想像以上に高いスコアであれば、俄然やる気が出ます。

予想していたよりスコアがなかったら、勉強の仕方を変えるきっかけにもなります。

小・中・高校生には全員受験推奨ですが、大学生や社会人の方も学び直しとして「英検」を選択するはどうでしょうか。参考になれば幸いです。それでは(^_^)/