今回は、IELTS(アイエルツ)の紹介です。
英語を学ぶうえで、1つの目標として検定を利用されている方や受検を考えている方、入試への活用を考えている方などに参考になれば幸いです。
昨今、英語によるコミュニケーション能力(特に話す・書くといった発信力)が課題となっており、英語教育の抜本的な改革が進められています。
英語の4技能の強化が急務となっています。
※英語教育の英語4技能とは⇒LSRW Listening(聞く) Speaking(話す) Reading(読む) Writing(書く)
大学入試でも4技能の総合的な能力の評価が必要とされ、
民間の資格・検定試験を活用がされることになっています。
2019年の時点で、活用される民間の資格検定試験「認定試験」は以下の7つです。
・英検(実用英語技能検定) ・TOEIC(トーイック) ・GTEC(ジーテック) ・TOEFL(トーフル) ・IELTS(アイエルツ) ・TEAP(ティープ) ・ケンブリッジ英語検定
これらの検定は、統一して、国際的な外国語の評価基準「CEFR」でA1~C2の6段階で評価されます。
概要と特徴【IELTS】
実施団体
ケンブリッジ英語検定機構、ブリティッシュ・カウンシル(英国文化振興会)、IDP Educationの3つの組織により共同で運営されています。
・ケンブリッジ英語検定機構 ⇒1913年設立、イギリスのケンブリッジに本社、 100年以上の歴史のある「ケンブリッジ英語検定」も運営。 ・ブリティッシュ・カウンシル ⇒1934年設立、イギリスのロンドンに本社、 英語普及などを通しイギリスと他国との文化交流に貢献。 ・IDP Education ⇒1969年設立、オーストラリアのメルボルンに本社、 32か国にオフィスがあり留学生をサポート。
概要
IELTS(International English Language Testing System)アイエルツは、英語の環境で授業を受けることや仕事・生活をする英語力がどの程度あるか測るテストです。
大学への留学を希望している人向けのテスト形式
海外に移住を希望している人向けのテスト形式
4技能によるテストです。
2つのモジュールによってWriting(書く)とReading(読む)の出題内容は区別されていますが、Listening(聞く)とSpeaking(話す)は2つのモジュールで共通です。
140か国、10000以上の期間により認定されています。
アメリカ、イギリスなどの留学の際の英語力の証明にもなり、移住申請、大学入試への活用もされています。年間350万人以上が受験。
試験方法とバンドスコア【IELTS】
IELTSは英検のように級が設定されているわけではありません。
合格不合格ではなく、熟練度である1.0~9.0バンドスコアが示されます。
目安として英検のレベルを右に記載しています。
スコア | 認定 | CEFR | 英検 |
9.0 | Expert user エキスパートユーザー | C2 | – |
8.0 | Very good user 非常に優秀なユーザー | C1 | 1級 |
7.0 | Good user 優秀なユーザー | C1 | 1級 |
6.0 | Competent user 有能なユーザー | B2 | 準1級 |
5.0 | Modest user 中程度のユーザー | B1 | 準1級 2級 |
4.0 | Limited user 限定的ユーザー | B1 | 2級 準2級 |
3.0 | Extremely limited user 非常に限定的なユーザー | – | 準2級 3級 |
2.0 | Intermittent user 一時的なユーザー | – | 4級 |
1.0 | Non-user 非ユーザー | – | 5級 |
Writing(書く)Reading(読む)Listening(聞く)Speaking(話す) の4技能のスコアも出されてます。
4つの要素の平均が左端の全体のバンドスコアとなります。例として以下をご覧ください。
Writing | Reading | Listening | Speaking | 平均 | スコア | |
Aさん | 6.5 | 6.5 | 5.0 | 7.0 | 6.25 | 6.5 |
Bさん | 4.0 | 3.5 | 4.0 | 4.0 | 3.875 | 4.0 |
Cさん | 6.5 | 6.5 | 5.5 | 6.0 | 6.125 | 6.0 |
4技能全てがスコア化されますので、Readingに偏った勉強だけでは全体スコアが伸ばせません。
4技能バランスの良い対策をしない限り全体スコアは伸びないでしょう(^o^)
試験の詳細【IELTS】
試験時間・問題数
時間 | 問題数 | 説明 | |
Writing | 60分 | 全2問 | 1問目:資料を読み取り約150語で書く 2問目:エッセイを約250語で書く |
Reading | 60分 | 全40問 | 文章の長さは2150語~2750語 学術的なトピックや日常生活など |
Listening | 約40分 | 全40問 | 会話・モノローグ・教育について 学術的テーマなど様々な形式 |
Speaking | 11~14分 | – | 1対1インタビュー形式,コミュニケーション スピーチ能力,意見,議論など |
実施回数・場所・検定料
英検に比べると値段は高めですが、留学や移住へのステップと考えると必要な費用といえます。
- 札幌
- 仙台
- 埼玉
- 東京
- 横浜
- 長野
- 金沢
- 静岡
- 名古屋
- 京都
- 大阪
- 神戸
- 岡山
- 広島
- 福岡
- 熊本
ケンブリッジ英語検定よりは実施場所は多くありますが、まだまだ47都道府県で実施されいない現状です(2019年時点)。
英検から受験をすることが無難な地域もあるでしょう。
実施回数はかなり多いです。主要な都市ではほぼ毎週受けられるというのが最大のメリットですね(゜-゜)
毎週受験することも可能だそうです。
IELTS模擬試験【無料】
やや手続きが複雑ですが、メールアドレスの登録、利用規約を読んだうえで、受験が可能です。
ダウンロードなどの時間がかかりますが、時間がある人は一度挑戦しても良いかと思います。
大学入試への活用【IELTS】
2019年度時点で多くの大学で入試の活用が進んでいます。
数多くありますがいくつか抜粋して紹介します。
大学 | 学部学科方式 | 内容 |
東京海洋大学 | 海洋生命科学部 | 3.5以上で出願資格 |
東京藝術大学 | 音楽学部 | 5.5以上でセンター試験を満点換算 |
広島大学 | 全学部 | 5.5以上でセンター試験を満点換算 |
国際教養大学 | 国際教養学部 | 6.5以上でセンター試験を満点換算 |
九州工業大学 | 工学部 | センター試験の上限に加点 |
関西大学 | 英国方式外国語学部 | 5.5以上で英語試験を満点換算 |
立命館大学 | 全学部センター利用 | 5.5以上でセンター試験を満点換算 |
明治大学 | 全学部統一 | 外国語試験を免除しスコアに応じて得点 |
留学のためだけ試験ではなく、大学入試に活用できれば一石二鳥ですね(^_-)
将来的に海外の大学で学びたい人にとっては、日本での認知度の高い英検よりも海外で認知度の高い検定を事前に受けてはどうでしょうか。
では、「IELTS」の紹介は以上になります。
留学や海外以上を検討されている方にとって、世界共通語の英語は必須です。
英語を学ぶのであれば「英検」とすぐに判断せず、世界中で実施されている試験に挑戦を検討されてはどうでしょうか。では(^^)/