こんにちは、「学ぶことは真似ることから」まねこです。
CEFRを聞いたことがありますか。
英語を学んでいる人なら一度耳にしたことがあるのではないでしょうか。
簡単に言うと、個人の外国語レベルです。6段階で評価されます。
レベル | レベル名 | 概要 |
C2 | 熟練者 | 母語話者と遜色ない者 |
C1 | 上級者 | 優れた言語運用能力を有する者 |
B2 | 準上級者 | 実務に対応できる者 |
B1 | 中級者 | 習得しつつある者 |
A1 | 初級者 | 学習を継続中の者 |
A2 | 初学者 | 学習を始めたばかり者 |
また、「外国語」ですので英語以外の言語もこのレベルで測ることが出来ます。
入試への活用などもあり、今後大学入試への評価基準としても活用される予定です。
英語はじめとする外国語を勉強している方や入試を控える方にご参考になれば幸いです。
【英語力はどのくらい?】CEFRを学ぶ【勉強の成果を測る】
CEFRとは
CEFRはそもそもCommon European Framework of Reference for Languagesの頭文字をとったものです。
ヨーロッパ言語共通参照枠が正式名称になります。
外国語学習者の習得状況を示すガイドラインのようなものです。
言語能力を国際的に統一して測ることができます。このCEFRの誕生には、ヨーロッパの歴史、第二次世界大戦後のヨーロッパの統合と関係しています。
アメリカやロシアに対応するためにヨーロッパが統合した背景と重ねてCEFR誕生の経緯を見ていきましょう。
CEFR誕生の経緯
- 1954年欧州文化条約の調印
第二次世界大戦後、ヨーロッパ諸国の文化・言語の多様性を認め合い、偏見のない態度を培う目的
- 1961年ヨーロッパ文部大臣会議で現代語教育の推進を決議
現代語教育を一部のエリートだけでなく、全ての人に開かれた学習にするための5つの言語政策目的を集約
- 複言語主義の促進⇒複数の言語でコミュニケーションする権利
- 言語の多様化の促進⇒自分の国の言語を学ぶ権利
- 相互理解の促進⇒異文化コミュニケーションを促進
- 民主的市民の推進⇒民主的・社会的な多言語社会における複言語能力を持つ必要性
- 社会的結束の促進⇒平等は、生涯を通した言語学習による
- 1967年EC(ヨーロッパ共同体)発足
- EEC(ヨーロッパ経済共同体)
- ECSC(ヨーロッパ石炭鉄鋼共同体)
- EURATOM(ヨーロッパ原子力共同体)
3つの組織が統合、ヨーロッパ内の相互依存が高まり、欧州評議会での言語教育の活動が活発になる
- 1975年「The Threshol Level」の発行
「英語のコミュニケーションをするには何ができれば良いか」という敷居(Threshol)レベルを示したもの
その後欧州評議会においてThresholレベルの下の「Waystage」レベル、上の「Vantage」レベルが出版される。さらに「Breakthrough」「Effective Operational Proficiency」「Mastery」と計6つのレベルに分けられる
これらはレベルは翻訳しずらく以下のようにA・B・Cに分け、さらにそれぞれを2つに分け、計6つに分類されたる
Mastery C2 Effective Operational Proficiency C1 Vantage B2 Threshold B1 Waystage A2 Breakthrough A1 これがCEFRの原型となった
- 1991年スイスのシンポジウムで開催
- 相互理解のための言語学習・教育の重要性
- 言語学習は就学前児童から成人まで生涯を通して行われるべき
- 全レベルのヨーロッパ共通フレームワークの開発
3つの意見が一致し「ヨーロッパ言語共通参照枠(Common European Framework of Reference for Languages )」の契機となる
- 1993年EU(ヨーロッパ連合)発足
経済・政治の統合が進む
1996年にかけて言語の能力記述尺度を検証するプロジェクトが完了
- 1996年CEFR初版
「ヨーロッパ言語共通参照枠(Common European Framework of Reference for Languages )」 として出版される
その後改訂版や改良が進められる
20年以上にわたり研究と実証実験が行われ、2001年に現行のものが公開されました。
現在、ヨーロッパではこの共通参照枠が初等教育・中等教育を通して目標として適用されています。英語だけでなく38の言語で参照枠があります。
6つのレベルごとの能力【CEFR】
以下にブリティッシュ・カウンシル、ケンブリッジ大学英語検定機構から引用した、6つのレベルに相当する能力を掲載します。
能力 | |
C2 | 聞いたり読んだりした、ほぼ全てのものを容易に理解することができる。いろいろな話し言葉や書き言葉から得た情報をまとめ、根拠も論点も一貫した方法で再構築できる。自然に、流暢かつ正確に自己表現ができる。 |
C1 | いろいろな種類の高度な内容のかなり長い文章を理解して、含意を把握できる。言葉を探しているという印象を与えずに、流暢に、また自然に自己表現ができる。社会生活を営むため、また学問上や職業上の目的で、言葉を柔軟かつ効果的に用いることができる。複雑な話題について明確で、しっかりとした構成の、詳細な文章を作ることができる |
B2 | 自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的な話題でも具体的な話題でも、複雑な文章の主要な内容を理解できる。母語話者とはお互いに緊張しないで普通にやり取りができるくらい流暢かつ自然である。幅広い話題について、明確で詳細な文章を作ることができる。 |
B1 | 仕事、学校、娯楽などで普段出会うような身近な話題について、標準的な話し方であれば、主要な点を理解できる。その言葉が話されている地域にいるときに起こりそうな、たいていの事態に対処することができる。身近な話題や個人的に関心のある話題について、筋の通った簡単な文章を作ることができる。 |
A2 | ごく基本的な個人情報や家族情報、買い物、地元の地理、仕事など、直接的関係がある領域に関しては、文やよく使われる表現が理解できる。簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄について、単純で直接的な情報交換に応じることができる。 |
A1 | 具体的な欲求を満足させるための、よく使われる日常的表現と基本的な言い回しは理解し、用いることができる。自分や他人を紹介することができ、住んでいるところや、誰と知り合いであるか、持ち物などの個人的情報について、質問をしたり、答えたりすることができる。もし、相手がゆっくり、はっきりと話して、助けが得られるならば、簡単なやり取りをすること ができる。 |
少し難しいですが、自分の英語(外国語)のレベルがどのレベルなのかを測るには、民間の検定資格試験を利用することが手っ取り早いです。
また、日本人にとって、日本語と英語はかけ離れた言語です。CEFRのこの6段階のうち、日本人の実に8割がAのレベルに該当します。
そのため、CEFR-Jと呼ばれる、日本人に適した内容に、研究の末、改変された指標も存在しています。
自分の外国語のレベルを測る
日本で受検できる検定試験は数多くあります。
以下に8つの検定試験のスコアとCEFRの対照表を掲載します。
分かりやすいのが英検ではないでしょうか。英検は5級からありますが、CEFRでは判定されません。3級以上でようやくA1のレベルですのでCEFRのレベルは高いという見方もできます。
上の対照表では、ケンブリッジ英語検定とIELTSのみがC2の判定ができます。
英検1級、TOEIC満点でもC2の評価を受けないのは、個人的には驚きです(>_<)
国際的な英語力という観点では、日本の英検1級やTOEIC満点だけで満足すべきでないと分かります。ただ日常会話レベルでは全く問題ないでし、一般的に英検1級やTOEIC満点はなかなかできることではないです(^-^)
英検はA1~C1、TOEFL iBTはB1~C1など検定の種類によって判定されるCEFRの基準に幅があります。
受検する場合は、目標と現時点の能力を加味して受ける検定を選択すべきですね(^O^)/
では、今回は以上になります。
大学入試への民間試験の活用が進められている中、受験生であればCEFRの最低限のことは知っておくべきでしょう。それでは(^_^)/~