こんにちは、学びや勉強についてのブログを書いています。
勉強するときに、なかなか勉強を始められないことはないでしょうか。
一度勉強し始めたら集中し続けられるけど、最初の1歩が踏み出せない。こうなっている人が意識すべきは、”Quick Start(クイックスタート)”です。
【行動できないときに意識すべきこと】”Quick Start(クイックスタート)”
“Quick Start(クイックスタート)” とは
Quick Startとは、意味としては「急速起動」と訳されます。
スマートフォンのiPhoneなどで、新しい機種を購入したときの機能として「クイックスタート」という言葉を聞いたことがある方もいるかもしれません。機種変更や追加で購入しても、データを移行でき、引き続き以前の設定のそのまま利用できる便利な機能です。
面倒な初期設定なしに使い慣れた状態ですぐ使えるということですが、学びや勉強についての” Quick Start “の意味を考えていきます。
“Quick Start(クイックスタート)”【勉強に気が向かないとき】
目標が大きいほど学び、勉強する期間は長くなります。
長期間に渡って高いモチベーションを維持し続けることは容易ではありません。
時には、なかなか勉強に気が向かいない時だってあります。そんな時こそ意識してほしいことが、
クイックスタートです。つまり、長い先のことは一切考えずまず勉強してみるということです。
あれこれ考え過ぎることは時間のムダ
勉強には計画と改善が重要です。
実現したい目標に応じて学習計画を立て、学習の効果を検証しながら、計画を改善し続ける。
これは、効率よく成果を出すうえで必要な考えです。
ですが、モチベーションが低いときはどうでしょうか。
細かいスケジュールを考えること、自分の欠点に目を向けて改善すること、これらは、なかなか大変で億劫に感じるのではないでしょうか。なおかつ、改善点は挙げたらきりがないことは多々あります。
勉強することをせずに計画だけやっていても成長しません。モチベーションがが低いときは、計画と改善に時間を使いすぎず、まず勉強し先に進むことです。
先に進むことで、前進している感覚が生まれモチベーションが高まります。
ムダにあれこれ悩むのではなく、すぐに行動することのメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
“Quick Start(クイックスタート)”のメリット【すぐ行動せよ】
先ほど述べたように、クイックスタートでまず勉強することで、
このようなメリットがありますが、他にもすぐに行動することのメリットはあります。
「まず行動する」「まず勉強する」これを、続けることで学ぶ癖がつきます。
この学び癖がつけば、学ぶことが当たり前になり、「勉強しない」ということが異常事態である錯覚を起こさせてくれます。
注意したいのはすぐ勉強するという「クイックスタート」を少なくとも1か月は続けることです。
続けなければ習慣化できませんので、最初は「すぐにやる」という強い意志が必要です。
学習スケジュール、効率的な勉強法、学ぶ目的などを考えるときりがありません。
また、学ぶことについて考えていると、自然と自分の将来のことなどが頭の中に浮かび、不安になる原因にもなります。
「将来この勉強は何の役にも立たないんじゃ・・・」 「不合格したらどうしよう・・・」 「そもそも学ぶ意味あるのか・・・」 「労力と時間のムダではないか・・・」など
あれこれと考え続け、このようなネガティブな考えが生まれる人は見られます。
クイックスタートの意識を持つことで、すぐに勉強できネガティブな考えが入る余地をなくします。また、少しでも勉強することで着実な成長を見込めます。
真面目な人ほど、毎日努力しなければならないという考えを持っていると思います。
この強迫観念は、自分を不安にさせ、「学び」の質を低下させます。
クイックスタートでまず真っ先に勉強することで、今日はもう勉強をした状況が作れます。「しなければならない」という気持ちを和らげ、学ぶ内容に気持ちを向けることができます。
また、勉強という1つの行動をする前に、いろいろと考えて「他の行動の選択肢を増やす」ことで行動に影響がでる研究もあります。
「ジャムの研究」という有名な研究を紹介します。
ジャムの研究【選択肢と行動】
コロンビア大学ビジネススクールのシーナ・アイエンガー教授の実験を紹介します。
あるスーパーにジャムの試食コーナーを設けます。
ある日は24種類のジャムを、ある日は6種類のジャムの試食を準備。
立ち寄って試食する人数と購入する人数を調べる実験です。
【実験結果】
1.立ち止まり試食する人の割合
ジャムが6種類の場合、通りかかる人の40%が試食したのに対し、
24種類の場合、60%となった。
2.ジャムを購入する人の割合
ジャムが6種類の場合、立ち寄った人の30%の人が購入したのに対し、
24種類の場合、3%の人が購入した。
この実験結果から分かることの1つは、選択肢が24種類と多いと、実際の「購入」という行動に移す人は、3%しかいないということです。
また、シーナ・アイエンガー教授の研究結果から、10以上の選択肢を与えると、人間の判断力は鈍るということも分かっています。これは、投資判断や健康保険の選択など様々な状況でも言えることです。
つまり、勉強する前に、勉強に関することをあれこれと考えて、行動の選択肢を増やすと、「勉強」という行動が先送りになるということです。
頭の中で選択肢を増やさず、真っ先に取り掛かることが大事ですね(^○^)
また、この実験から選択肢が多い方が、立ち寄る人の割合が高いことが分かります。
選択肢の多さは、心理的には魅力的ということでしょう。ついつい選択肢を増やし過ぎないように、”Quick Start”を意識してまず行動してはどうでしょうか。
【決断をする】行動の選択肢を減らす
クイックスタートですぐやろうと思ったものの、それでも行動できない人はついついやってしまう行動を「やらない」と決断するしかないです。
「学ぼう」「勉強しよう」と決めたのであれば、学ぶことを中心とした生活に切り替えるべきです。
正直、何かを「やる」よりも、何かを「やらない」ことの方が難しいです。
意を決して、やってしまう行動をやらないと決断しましょう。
客観的に自分の1日の生活を振り返る。惰性でやってしまう行動を列挙する。本当に必要な行動であるか吟味する。
一度時間をかけて、紙に書き出し考えてみることがいいです。
出来ることなら、学びたいことだけに集中したいものです。極端ですが、学ぶこと以外はやりたくないです。
食事や掃除などの家事全般は手伝ってもらう人に思い切って依頼すべきです。
図々しいと感じる人もいるかもしれませんが、家事は手間ですし、「やらなければならない」という考えが頭の中にあるだけでも学びの能率が悪くもなります。
また、通勤通学の手段などを工夫することで、時間の有効活用もできます。
人との関わりを面倒と感じる方もいると思います。人と関わることが不快で、勉強に支障をきたす程である場合は別として、人に頼れる場合は頼った方が、より早く目標が実現できるでしょう。
行動の選択肢を減らしても、モチベーションがなかなか上がらない場合は、“small win”という考えもあり、合わせて取り入れてみるとやる気も持続します。
ここまでクイックスタートを意識することの良い面を中心に見てきましたが、注意したいこともあります。
“Quick Start(クイックスタート)”の注意点
ただ行動するだけ一辺倒では、考えない癖がついてしまうことがあります。
教育の現場でもこういった子ども(小学生から高校生)が見受けられます。
・本を読むとき ⇒文章を目で追っているだけ ⇒内容を理解しようとしない ⇒次の展開を予想したり、内容の前の出来事を思い出さない ・問題を解くとき ⇒決まりきったやり方でしか問題を解かない ⇒目の前の問題だけでなく、問題から派生した知識を深めようとしない ⇒疑問に思ったことを別の参考書で調べない ・自分の考えがない ・「○○したい」という希望がない ・自分から学ぼうとしない など
自ら考え求めようとしない姿勢の子どもは、圧倒的に成果がでていない現状です。
人に提案された課題を単に「消化」するという行動では、頭脳は鍛えられません。
クイックスタートは、なかなか勉強できないときに、勉強という行動をおこすことで、勉強を習慣化させる手段です。
子どもに関わらず、誰しも学ぶ目的に立ち返る時間はとるべきです。また、常により能率の良い学びを追求することは必要です。
何のための行動なのかは明確にした上で、モチベーションが下がり気味の時に、”Quick Start”を意識し行動してみてはどうでしょうか。