学習の成果が出にくい受験で失敗する人【自己愛が強すぎるタイプ】

こんにちは、「学ぶことは真似ることから」まねこです。

「成績がなかなか上がらない」「資格試験で何度も落ちた」など成果が出せない原因は多くあります。

原因が単純な勉強量が不足しているのであれば、正しい勉強を積み重ねていけば、時間は掛かれど絶対に成績が上がり合格できるでしょう。

この”成果の出やすさ”は人によって異なります。

今回は、成績が上がりやすい人とそうでない人との違いを生む1つの原因を紹介します。

学習の成果が出にくい受験で失敗する人【自己愛が強すぎるタイプ】

成果が出にくい人の原因として考えられるのが、心理的な問題です。

自己愛が強すぎる人が、成績が上がらず低迷することが頻繁に見られます。

自己愛とは、その名の通り「自分を愛する」ことを指します。

※自己愛について

  • ナルシシズム(narcissism)

自己愛はナルシシズムとも呼ばれ、日本ではナルシスト(narcist)という言葉が広く使われています。

どちらかというと、否定的な言葉として使われ、自己陶酔というイメージで使用されています。

※ナルシシズムの語源
ギリシア神話に登場する
ナルキッソスが語源となっています。
美しい青年ナルキッソスは、
エーコーという女神からの求愛を
拒んだとして罰を受けます。
泉に映った自分の姿に恋をする
呪いを受け、水面に写った自分に
接吻をしようとして、泉に落下して
溺死するというギリシャ神話です。
イタリア人画家が描いたナルキッソス
  • セルフ・ラブ(self-love)

ナルシシズムとは別に、セルフ・ラブも自己愛のことを指しますが、健康的な意味合いが強い言葉です。

自己愛という言葉が必ずしもネガティブな言葉ではないものの、行き過ぎた自己愛が勉強面でもマイナスの影響を受ける傾向はあります。

「自分は出来る人間だ」という過度な意識

エリート意識を持ちすぎるような場合、成績が低迷する人がいるのも事実です。

  • 「周りの人より自分は出来る人間だ」
  • 「他の人は頭が悪い」
  • 「自分の勉強法は誰よりも効果的だ」
  • 「人より理解も暗記も早くできる」

など、自分の能力を周囲よりも遥かに上回っていると自覚している人は危険です。適度な自信は、より行動的になるために必要です。過度な謙虚さは、消極的になる原因でメンタル面に悪影響です。

とはいえ、こういった人一倍エリート意識が強い人は、自分の頭の中だけの”自分自身のイメージ”と、実際の自分の姿が、大きくかけ離れていることが多いのです。

【勉強における】過度な自己愛を持つ人の特徴

このような自己愛が強すぎる人の具体的な言動として以下のようなことが挙げられます。

  • 自分の気に入った勉強しかしない

好きなことを極めることは重要なことですが、試験ともなると科目をバランスよく得点することが合格を左右します。

過度に自分のやりたいことだけをやって、苦手なことから目を逸らす。もし、複数の科目を要する受験や資格試験であれば、全科目から逃げない事が重要です。

弱点科目は得点が伸びやすく、手っ取り早く合格点に近づくにはむしろ苦手なことからやるのがいいですね(^^)

  • 結果がでないと言い訳をする

テストなどで結果がでないと、

  • 「本気を出していない」
  • 「習っていない所が出題された」
  • 「親のサポートが悪い」
  • 「体調が悪い」
  • 「試験の制度がダメ」

など言い訳をする傾向があります。自分の能力を実際より高く見積もり、結果がでないことを正面から受け止めない。

本来は「まずかった所を洗い出し、改善策を講じ、実行し、継続する」ことをすべきです。

  • 心地よい環境に慣れ過ぎている

勉強の環境を整えることは大事です。しかし、過度に自己愛が強い人は、至れり尽くせりとも言える環境で勉強をしているケースが見られます。

  • 最高級なペンを何本も使用
  • ウン十万円もする椅子
  • ありとあらゆる参考書
  • 最高級のオーディオで音楽を流す

妙に環境整備に気を配り、勉強すること自体に気持ちが向いていない。自己満足な環境づくりに一生懸命であることが見られます。

実際の試験は、居心地がいいとは限りません。ときには、環境面で自分に負荷をかけて勉強することで、本番の試験では余裕を持って臨めます。

  • 助言を聞き入れない

自分のやり方を崩さないことで、結果が出ているならいいですが、成績が低迷するときに人の助言に耳を傾けないことは問題です。

行き詰った時に、言い訳をするのではなく、助言に耳を貸す。

助言を批判するのではなく、まず助言通りやってみる。

すぐにやめるのではなく、しばらく助言通り続けてみる。

”疑い深さ”と”素直さ”の使分けをしたいところです。

以上のような特徴は、少しは当てはまることがあるのではないでしょうか。ポイントとしては”行き過ぎた”ということです。誰しも少しは当てはまるようなときはあるとは思います。”過度”であることを自覚していないとやや問題ありではないでしょうか。

自信やプライドをもつことは大切ですが、それが行き過ぎると、「自己愛性パーソナリティ障害」に当たる可能性もあります。

自己愛性パーソナリティ障害かも?

自分は優れていて素晴らしく特別で偉大な存在であると思い込む障害の1つです。以下のような症状があるとされています。

  • 人より優れていると信じている
  • 権力、成功、自己の魅力について空想を巡らす
  • 業績や才能を誇張する
  • 絶え間ない賛美と称賛を期待する
  • 自分は特別であると信じており、その信念に従って行動する
  • 人の感情や感覚を認識しそこなう
  • 人が自分のアイデアや計画に従うことを期待する
  • 人を利用する
  • 劣っていると感じた人々に高慢な態度をとる
  • 嫉妬されていると思い込む
  • 他人を嫉妬する
  • 多くの人間関係においてトラブルが見られる
  • 非現実的な目標を定める
  • 容易に傷つき、拒否されたと感じる
  • 脆く崩れやすい自尊心を抱えている
  • 感傷的にならず、冷淡な人物であるように見える
  • 他者に対する共感能力を欠く

自分に当てはまることは、あったでしょうか?この自己愛性パーソナリティ障害の診断基準は以下のようになっています。

自己愛性パーソナリティ障害の診断基準

以下の内容に5つ以上当てはまると自己愛性パーソナリティ障害に当たる可能性が高いです。

  • 自分が重要であるという誇大な感覚(例:業績や才能を誇張する、十分な業績がないにもかかわらず優れていると認められることを期待する)。
  • 限りない成功、権力、才気、美しさ、あるいは理想的な愛の空想にとらわれている。
  • 自分が“特別”であり、独特であり、他の特別なまたは地位の高い人達(または団体)だけが理解しうる、または関係すべきだ、と信じている。
  • 過剰な賛美を求める。
  • 特権階級(つまり、特別有利な取り計らい、または自分が期待すれば相手が自動的に従うことを理由もなく期待する)。
  • 対人関係で相手を不当に利用する(すなわち、自分自身の目的を達成するために他人を利用する)。
  • 共感の欠如:他人の気持ちおよび欲求を認識しようとしない、またはそれに気づこうとしない。
  • しばしば他人に嫉妬する、または他人が自分に嫉妬していると思い込む。
  • 尊大で傲慢な行動、または態度。

普段の自分の行い、他者に対する振る舞いや考えで該当する項目はあったでしょうか。

多くの場合、自分に問題があるとは認識できず、一般に人口の0.5%がこの障害を有しているとされています。

また、女性よりも男性が多く、自己愛性パーソナリティ障害と併存して、抑うつ障害、神経症、物質使用障害なども有しているケースがあります。

この自己愛性パーソナリティ障害となる原因は、遺伝的な要素、幼少期の環境などにあるとされています。下記に原因を列挙します。

  • 生来の過度に敏感な気質
  • 現実に立脚しない、バランスを欠いた過度の称賛
  • 良い行動には過度の称賛、悪い行動には過度の批判が幼少期に加えられた
  • 親、家族、仲間からの過剰な甘やかし、過大評価
  • 並外れて優れた容姿、あるいは能力に対する大人からの称賛
  • 幼少期の激しい心理的虐待
  • 予測がつかず信頼に足らない親の養育
  • 親自身の自尊心を満足させるための手段として評価された

幼少期の生活環境、特に保護者とどう接してきたかによるところが大きいようです。

※自己愛性パーソナリティ?
自殺した三島由紀夫と太宰治は、
この障害を有していたとされています。

では、この過度な自己愛を克服するにはどのような方法があるのでしょうか。

克服するために

最も効果が高いのは専門家による治療です。

激しい落ち込み、不眠症による生活リズムの乱れ、集中力の過度な低下など、心療内科、精神科の医療機関を利用すべきです。

特に受験にプレッシャーを感じやすい人は、体調を崩すケースが見られます。人に相談せずに、無理に我慢をし過ぎないことです。

また、”囚われ”に気付くことも必要です。

  • 自分は天才、周りは愚民
  • 自分は選ばれし者、不可能などない
  • 勉強しなければならない
  • 絶対合格しなければならない
  • 不合格したら人生終わり

など、自分を縛るような考えだと気づくことです。

その他にも、

  • 理想を変える
  • 素直に謝る
  • 間違いは悪でないと気づく
  • 幼少期の自分の経験と向き合う

など、試みることや他者からの支援で克服できます。

では、今回は以上になります。

成績が低迷しているには、自分の過度な思い込みが原因かもしれません。一度自分の考えに目を向けてみるのもいいかもしれません。それでは(^^)/