子供は命令されるのが大嫌い【行動してほしいときの伝え方】

こんにちは、「学ぶことは真似ることから」まねこです。

なかなか家で子供が勉強しないとき「勉強しなさい!」が親の定番フレーズです。

ですが、それを聞いて行動に移る子供は多くありません。

子供は命令されるのが大嫌いですから(=_=)

子供は命令されるのが大嫌い【行動してほしいときの伝え方】

どのように伝えれば、こちらの意図する行動に移るのでしょうか。

なかなか、子供が行動しない原因となる避けるべき伝え方を紹介します。

”Youメッセージ”だと行動を避けがちに

Youユーメッセージ”は、伝えるときに、話す相手に焦点をあわせて伝えることです。

親が伝える場合、子供(あなた)が主語になっているメッセージです。例えばこんな伝え方です。

  • 「(あなたは)早く勉強しなさい」
  • 「(あなたが)勉強しないと高校へ行けないよ」
  • 「(あなたは)だらだらスマホばかり見るのはやめなさい」

これらの伝え方だと子供は、かえって反発します。これらの言い方は、以下のような相手が反発し抵抗を招くする言い方です。

※相手が反発し抵抗を招く言い方

  • 命令・指示⇒「さっさと勉強しなさい」
  • 警告・脅迫⇒「合格したければ今すぐ勉強したほうがいい」
  • 説教⇒「子供は勉強すべきだ」
  • 忠告⇒「これ以上宿題をやらなければバカになる」
  • 論理による説得⇒「受験まであと2か月で500のことを覚える必要がる」
  • 批判⇒「こんな点数しかとれないなんて頭が悪過ぎる」
  • 悪口・侮辱⇒「だらしない。幼稚園生じゃあるまいし」
  • 分析⇒「全然勉強していない原因はスマホの使用時間が長すぎるためだ」
  • 同情⇒「難しい問題なのは分かるけどあなたならできる」
  • 尋問⇒「なぜ勉強せずにサボったの?」
  • ご機嫌とり⇒「隠れた才能があるね」
  • 皮肉⇒「今更何頑張ってんだ」

この場合、相手の心が閉ざし、聞き入れることはないでしょう。子供は、自分が優先されていないことに抵抗を示し、なかなか行動しません。

上手く伝えるには、命令などではなく”Iアイメッセージ”です。

”Iメッセージ”を伝え、子供に選択の余地を与える

Iアイメッセージ”とは、親(私)の気持ちや考えを”私”を主語にして伝えることです。

  • 「(私は)しっかりと勉強している人は将来に求められると思う」
  • 「(私は)大学進学率の高い○○高校に魅力を感じる」
  • 「(私は)スマホの利用料金が高くて困っている」

あくまで、私のこととして相手に伝えることで、これを聞いた子供(相手)にどうするかを委ねることになります。子供は行動の選択が自分で出来るのです。

先程の”命令”などの言い方は抵抗を招きます。しかし、私(親)自身のことを率直に伝えることで、相手(子供)は、親の意図をくみ取ろうとします。

私(親)の欲求をストレートに伝えることで、子供は欲求を満たそうと行動する

しかし、間違った”Iメッセージ”の使い方もあり注意が必要です。

”Iメッセージ”の間違った使い方

何でも主語に”私”をつければいいというわけではありません

一見自分の考えや気持ちを伝えているように思えて、実際は”Youメッセージ”である場合があります。他にも単に感情をぶつけているだけなど、”Iメッセージ”の使い方には注意が必要です。

  • やるべき宿題をしなければ賢くならないと私は思うよ

単に文末に「私は思う」を付け加えただけで、「あなたは宿題をしなければならない」というYouメッセージを送ったにすぎません

子供が宿題をしないことに対する、親の気持ちを具体的に表現するといいです。

  • 私は勉強をしない人が気にくわない

これは、単に感情をぶつけているだけです。説得力がないため、子供は親の意図をくみ取らず、顔色をうかがうようになるだけです。

  • だらだらスマホばかり見ている姿はイライラする

「だからスマホを片付けて」という指示が後に続くことが容易に想像できます。感情をぶつけることに加えて、指示を与える言い方は避けるべきです。子供は”スマホを片付ける”という行動に義務感を感じ行動しません。行動の選択の余地がないということです。

4つの”Iメッセージ”を使いこなす

この”Iメッセージ”には4つの種類があります。

  1. 対決の”Iメッセージ”
  2. 返事の”Iメッセージ”
  3. 予防の”Iメッセージ”
  4. 肯定の”Iメッセージ”
  • 対決の”Iメッセージ”

これは、子供の行動が原因で、親が困っており、子供に行動を変えてほしいときに使います。

対決の”Iメッセージ”の伝え方

「子供の行動内容」+「自分(親)への影響」+「自分(親)の気持ち」

上記の3つを、相手を非難せず事実のみを伝えることです。

例えば以下のような伝え方になります。

「学校から帰るとテレビを見ることが多いなぁ。(子供の行動内容)」

「正直、高校に行けるか心配で夜も眠れないよ。(自分への影響+自分の気持ち)」

  • 返事の”Iメッセージ”

これ、相手からの頼み事を断るときに使います。

返事の”Iメッセージ”の伝え方

「断る意志」+「理由」

上記2つを、他のせいにせず、断る意志を明確に相手(子供)に伝えます。

例えば、子供からゲームを買ってほしいと、せがまれた時に以下のような伝え方になります。

「(私は)買わない事にします。(断る理由)」

「(私は)ゲームを買うお金を他の学費に充てたいから。ゲームは自分で稼げるようになってから買って。(断る理由)」

ここで「お父さんがダメって言ってたから」など外的な理由を言うと反発されますので、しっかりと理由を”Iメッセージ”として伝えるべきです。

  • 予防の”Iメッセージ”

これは、自分(親)の欲求を事前に相手(子供)に知らせる目的で使います。

予防の”Iメッセージ”の伝え方

「自分の欲求」+「理由」

対決の”Iメッセージ”は既に起きていることに対してです。

この予防の”Iメッセージ”は、上記2つを伝えることで、これから起こることを防ぐ効果があります。

例えば、「宿題はその日のうちにやってほしい。前日になって焦って夜遅くまで勉強している姿を見ると、体を壊すんじゃないか、とても心配になるから。(自分の欲求+理由)」

  • 肯定の”Iメッセージ”

これは、相手(子供)が頼みごとを引き受けてくれたり、行動を変えてくれたときに使います。

肯定の”Iメッセージ”の伝え方

「子供の行動内容」+「自分(親)への影響」+「自分(親)の気持ち」

上記3つを、客観的な事実をもとに伝えます。

例えば、以下のような伝え方です。

「今月はスマホの利用時間を少なくしたんだね。(子供の行動内容)」

「通信代が少なくて、助かるよ。(自分への影響+自分の気持ち)」

※トマス・ゴードン(1918-2002)
”Iメッセージ”はアメリカの心理学者によって
提唱された考えです。
対人コミュニケーションメソッドとして、
世界中の教育機関で参考にされています。

受験生には”Weメッセージ”で共に挑む

受験生にとって不安は付き物です。

「不合格だったらどうしよう...」「成績が上がらない...」など。

不安を抱える子供にも”Iメッセージ”は有効ですが、発展させ”Weメッセージ”として伝える手段もおすすめできます。

私個人だけでなく、皆がこう思っている、皆がいい影響を受けた。など主語を言い換える伝え方です。

例えば、「あなたが頑張って勉強しているから、家族全員が意欲的に行動できている。」など、子供の行動が全体に良い影響をもたらしていること伝えるやり方です。

”Iメッセージ”は親一人の気持ちですが、”Weメッセージ”はより多くの人が関わるため、子供の行動が変わりやすくなると言われています。

では、今回は以上になります。

子供への伝え方として参考になれば幸いです。それでは(^^)/