こんにちは、「学ぶことは真似ることから」まねこです。
”アクティブラーニング”をご存知でしょうか。
「受動的ではなく能動的に学ぶ」学習法ことです。
講師による一方向的な講義形式の”受講(受け身)”ではなく、
積極的なアウトプットのある授業参加型の授業であり「学習者が中心となり主体的・協働的・対話的に深く学ぶ」ことになります。
アクティブラーニング勉強法【能動的に学べ】
そもそも”アクティブラーニング”という言葉は、2012年8月文部科学省”中央教育審議会の答申”以降注目を浴びました(※抜粋を最後に記載しています)。
現代は大きな社会変化に伴い将来の予測が困難な時代です。
- グローバル化
- 高度情報化
- 少子高齢化
- 社会の活力低下
- 経済状況の変化
- 地域間格差
- 従来の雇用環境の変化
- 産業構造の変化
- 人間関係の希薄化
- 格差の再生産・固定化
などが私たちのあらゆる側面に影響しています。
こういった急激な社会変化やテクノロジーの急速な進化により、学校で学んだことが陳腐化する今、私たちは生涯にわたり、意欲的に学び続けることが必要とされています。
既存の知識を受け入れるだけでなく、生まれ続ける新しい課題を発見し、解決できる学習法として”アクティブラーニング”という学び方に期待が集まっています。
アクティブラーニングで期待できること
「能動的に学ぶ」学習法ですが、主に授業で取り入れられます。最大の目的は、
ただ受け身な授業で、”知識詰め込み型”の授業から脱却し、勉強する側が主役になって学ぶ。活動的に自ら学ぼうする姿勢を養います。
アクティブラーニングにより思考を活性化することで、以下の能力を養えると期待できます。
では、アクティブラーニングのどのような方法があるのか見ていきましょう。
※勉強する側の個人が、どのようにアクティブラーニング(能動的学習)を取り入れるかは後ほど。
アクティブラーニングの方法
アクティブラーニングは、主な方法に以下のようなことが挙げられます。
- 発見学習
- 問題解決学習
- 体験学習
- 調査学習
- グループ・ディスカッション
- ディベート
- グループ・ワーク
では、具体的な手段としてどのようなものが5つに絞って紹介ます。
- テーマの提示(全体に1つ質問を投げかける)
- 一人でテーマについて考える(数分間)
- 2人~5人で互いの意見を交換する(数分間)
- 意見をまとめ発表する
- 全体で考える
自分の意見を明確にでき、他者の意見と対比しながら考えを深められるメリットがあります。
- テーマの提示(全体に1つ質問を投げかける)
- ルール周知(アイディアは短い言葉で、アイディアを評価しない、時間制限)
- 4人~6人でテーマについてアイディアを簡潔に出していく
- 決められた周回までアイディアを順に出していく
いわゆる”ブレーンストーミング”の簡易的な手法、批判を避けることで多くのアイディアを生産するメリットがあります。
- 文章作成・レポート作成・プレゼン作成などのアウトラインを準備
- 2人ペアで互いの作成物に目を通す
- 互いの作成物を説明
- 互いの良い点・改善点を伝える(フィードバック)
- フィードバックを受けて作成物を改善
文章など作成の準備段階で、率直な感想を受けられ作成物を改善できるメリットがあります。
- テーマの提示(全体に1つ質問を投げかける)
- テーマに対する”学習内容”を4~6個に分解する
- 大人数において4人~6人の「ホームグループ」を複数つくる
- ホームグループ内で4~6個の”学習内容”を役割分担する
- ホームグループを一度解体する
- 4~6個の”学習内容”別にグループになる(「エキスパートグループ」)
- ”学習内容”別に集まった「エキスパートグループ」で学習内容を学び合う
- 学び終えたら「エキスパートグループ」を解体、「ホームグループ」に戻る
- 「ホームグループ」で”学習内容”を互いに教え合う
「エキスパートグループ」で専門的に学んだことを、「ホームグループ」で自分の言葉によって説明する必要があり、より深い学びができるメリットがあります。
- テーマの提示(全体に1つ質問を投げかける)
- 1人で肯定・否定のいずれかの立場をとり、論拠を5つ以上書く
- 反対の立場をとったと仮定し、論拠を5つ以上書く
- 3人ペア(肯定・否定・ジャッジ)になりディベート
- まとめとしてレポートを書く
一般的なディベートでは時間が要しますが、短時間で疑似ディベートをすることで論理的な考えが養われるメリットがあります。
他にも様々なアクティブラーニングの手段があります。
ここまでは、主に複数人によるアクティブラーニングを紹介しました。
個人でこのアクティブラーニングの手法を取り入れることができるか見ていきましょう。能動的な学習が1人でも可能であれば、学習効率は高まります。
個人の勉強で「能動的学習」をする方法【勉強をアクティブ化】
では、一人で能動的な学習を可能にする方法を紹介します。
自分で自分に問題を出し、回答する。
これだけでも普段の勉強が変わります。何となく文章を読むのでなく、クイズ的に勉強をしていくと自然と質問に答えざるを得ない状況がつくられます。
質問があれば、答えようとする、答えるには考えなければならない。
思考を強制的に活性化するには自分に問う、ということが大事です。
勉強というと、知らないことを吸収することをイメージしがちですが、テストで覚えたことを確かめるときも勉強です。
「テストは最高の勉強法」と言っても大げさではないです。
一人でテスト形式で問題を解こうと自ら行動することをおすすめします。
先ほどのアクティブラーニングの例で多くあったのは、人と教え合うことで能動的になれるものです。
自分の意見を伝えたり、ディベートしたり、人を説得するつもりで言葉を伝えると思考が活性化します。
一人で勉強するときは自分自身を説得するために、つぶやいたり、ノートに書いたりするといいです。
授業や講義でノートを書くときは、板書やスライドをノートに”コピー”するのではなく、自分の言葉で表現する。
自分の言葉に置き換えようとすることで、「分かりやすくまとめるにどうすればいいのか」と考えることになり理解が深まります。ノートのとり方については以下の内容にも気を付けたいことがあります。
授業で習ったことや本に書いてあることをさらに自分で調べると理解が深まります。
図書館で文献を調査することで人より詳しくなることが最大の目的ですが、何より人がやらないことを自分がやっている状態をつくることに意味があります。
「自分だけが行動して学問を追求している」感覚を持つと学ぶことに意欲的になれます。
ネットで調べるということもいいですね。
学んだことを言葉で表現する方法です。
日記でも構いません。SNSで発信してもいいです。
勉強したことをアウトプットすることで、思考が整理され、分かりやすく伝えようとすることで理解の曖昧さを排除できます。
参考書でも説明書や物語文でもただ活字を追うとなかなか頭に入りません。
読む前に、先の展開や説明の結論を予測してから読むと内容が頭に残ります。
読みながら、要所要所で知らない言葉の意味、文章の要点を予測し言葉に出してみる。その後読み進めて内容や結論を知ると、予測が外れようが記憶に残りやすくなります。
知らないことを予測したり、先のことを推測したことで思考することになるからです。
予測が外れてたとしても、逆に外れたことが印象に残り記憶に留まりやすいのです。
読んだあとに、「つまり○○ということ」「ということは、○○ということ」「言い換えると○○ということ」など。
あえて自分の言葉に変換しながら読むと、”ただ読む”ことがアクティブ化されます。
では、今回は以上になります。
アクティブラーニングといっても方法は様々。手段はいくらでも考えられますので、自分で勉強をアクティブ化することが発明することもいいですね。
勉強法の発明こそ最もアクティブです。
何事にも自分の頭で考える癖をつければ、いくら時代や社会が変化しても対応できます。
生涯にわたり、意欲的に楽しんで学び続けらることは幸せなことです。人にやらされてはつまらない。能動的な学びを追求し続けましょう。それでは(^^)/
※以下文部科学省の答申より抜粋
『新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて~生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ~』より抜粋
生涯にわたって学び続ける力、主体的に考える力を持った人材は、学生からみて受動的な教育の場では育成することができない。従来のような知識の伝達・注入を中心とした授業から、教員と学生が意思疎通を図りつつ、一緒になって切磋琢磨し、相互に刺激を与えながら知的に成長する場を創り、学生が主体的に問題を発見し解を見いだしていく能動的学修(アクティブ・ラーニング)への転換が必要である。すなわち個々の学生の認知的、倫理的、社会的能力を引き出し、それを鍛えるディスカッションやディベートといった双方向の講義、演習、実験、実習や実技等を中心とした授業への転換によって、学生の主体的な学修を促す質の高い学士課程教育を進めることが求められる。学生は主体的な学修の体験を重ねてこそ、生涯学び続ける力を修得できるのである。