学校の宿題はくだらない?【小・中学生】

こんにちは、学びについてのブログを書いています。

タイトルは少し過激かもしれませんが、実際に小学生に通う親御さんから学校の宿題についての相談がありました。

学校の宿題に関する相談は多くあります。

「学校は、子どもにムダなことをさせすぎる<(`^´)>」
「宿題の量が多すぎる!」
「何のためにこんなことさせるの!?」

こういった疑問や不満について、学校の宿題の良し悪しを示したうえで、学校の宿題の向き合い方をご提案します。

学校の宿題はくだらない?【小・中学生】

学校の宿題に対してネガティブな考えの方は、一定数あるのは事実です。

そもそも、学校側は何のために宿題を出すのでしょうか。

宿題を出すの「表の」理由

宿題の目的でよく聞かれるのは以下のようなことではないでしょうか。

  • 学校で習ったことの理解を深めるため
  • 知らなかった知識を定着させるため
  • 「分かった」ことを「出来る」ようにするため
  • 自宅の学習習慣をつけるため

ざっくりというと、学力をつけるためということになります。

新たに習ったことを理解して定着するには、新しく習ったこと(新しい情報)に繰り返し出会う必要があります。

教わった新しい情報に、繰り返し出会うために、漢字ドリルや計算ドリルといった反復ツールが多くの学校で採用されています。繰り返し経験したことは定着し、いつしか当たり前のこととなっていきます。

  • 新しい情報を常識にするための「ドリル」

また、授業内で問題を解くときは、先生の教えてもらった通りにやればできます。自分ひとりで問題を解決する力を身につけるには、自宅で人の手助け無しに、自分の力で宿題をすることは有効です。

自分ひとりで問題を解決する能力を身につけてもらうために、先生は生徒に問題を提起します。

「明日までに○○について考えてきて」「○月○日までに意見文を提出して」など

先生からのミッションは課題解決能力を鍛えるには有効です。

  • 自分ひとりで問題を解決できるようになるための「問題提起」

また、1日だけではなく、継続的で主体的な学びで学力はつきます。「自主学習ノート」といった宿題はこの目的を満たすものでしょう。

生徒が勉強する内容を考え、先生が「1日1ページは自分で勉強をやってきて」などと指示をして出されることをよく耳にします。

  • 「自主学習ノート」で主体的で継続的な学びを促す

宿題を出すの「裏の」理由

先生は子どもに成長してもらいと心から思って頑張っていることは確かです。

実際は宿題を出すと先生の仕事は増え、学校の先生としては大変です。

・宿題を回収しなければならない
⇒回収状況の管理
⇒未提出者の追いかけも必要
・宿題の内容の確認
⇒やってきたことに対して指導(赤ペン入れ)
⇒採点(小学生は保護者に依頼されることもある)

毎日宿題を出すとなると、毎日宿題を回収→集約→チェック→返却と日々の授業と並行してやることは大変な労力が必要です。いくら情熱を持った先生でも苦労します。

では、なぜ学校の先生は宿題を出すのでしょうか。

  • 評価するため⇒通知表をつけるため

ズバリ生徒の評価のためです。

先生は、学校のテストだけでは生徒のことを評価してはいけないのです。

テスト結果だけでなく、授業中の発言や態度も評価の対象になり、その中に提出物・宿題の実施状況も評価の対象になっています。

授業中の客観的な評価は難しいです。正直、1人の先生が1クラス35名前後の全生徒を一度に細部にわたって観察するには限界があります。

つまり、授業中の発言や態度の詳細を記録し評価することは難しいのです。

ここで、先生からすると生徒を評価するうえで便利なのが提出物・宿題です。

宿題チェックの業務は大変ですが評価はやりやすいです。

1.提出したかどうかで評価できる
2.勉強した量で評価できる(何ページ勉強したかなど) 
3.採点したか、字が丁寧かなど行動面が評価できる
4.指示した内容が出来ているか授業の理解度もわかる
5.指示した宿題をやっているか授業中に話を聞いているかわかる

また、先生からすると指導内容が、生徒の理解につながっているかを知る手がかりにもなります。

提出物や宿題の状況から今後の授業内容を変更したり改善したりもできます。

  • 保護者の子どもとの関わり方を知れる

宿題はあくまで子どもが主体的にやることですが、ひとりでできない子もいます(特に小学生)。

宿題を通して、どのように保護者が指導しているか、あるいはほったらかしているのか、関わり過ぎているいるのか、といったこともわかります。

こういった保護者の関わり方を知り、学校での子どもの先生の接し方に活かしたりします。

自宅で保護者が子どもに「教えようとする」傾向が強い家庭の子どもには、学校では勉強内容には手がかりません。それよりも勉強の仕方のコツやより高度なアドバイスができます。

あるいは、面談などで保護者・生徒を褒めるネタ探しの側面もあります。

少し長くなりましたが、学校が宿題を出す意図を説明しました。

こうした宿題を出す「裏」の理由があるため、本来の学力をつけるという目的を見失った宿題があることも現実にはあります。

学校の宿題をくだらないと感じる理由

  • 「宿題は子どもを評価するだけの手段」という認識があるため

大人も子どもも、「宿題」を評価する・される手段と捉えると、無意味に思えてきます。

「宿題は評価のため」という勘違いは、宿題の中身をくだらなく感じさせます。

  • 「勉強の”量”に評価の重きが置かれている」ため

「自主学習ノート」は子どもが自ら学びたいことを学べますが、現状は違います。

正しいとは言えない使い方が広まっているのが現実です。「自主学習ノート」の例にこのようなものもあります。

  • 漢字を何ページにもわたって無数に羅列して書く
  • 教科書をノートいっぱいに書き写す
  • 参考書の「要点のまとめ」のページをデザインし直して何ページも書く
  • 算数・数学の答えだけを大量に丸写し
  • 理科・社会の用語と言葉だけを並べて書く
  • 同じ英単語のみを永遠と書き綴る

「たくさんやれば高評価」がくだらないと感じる理由の1つです。

物事の原理、言葉の語源、知識の説明、方法や手段を理解するなど、身になる勉強の仕方を子どもに指導する必要があります。

  • 「終わらせて提出することが目的化」しているため

「明日までに終わらせなきゃ」「提出しないと評価が落ちる」「宿題をやらないと怒られる」

などの言葉が出るようだと、宿題がただの作業時間になっている可能性があります。

  • 「宿題のレベルが子どもにあっていない」ため

これは進学塾に通うご家庭から聞かれる意見です。

子どもが完璧に習得していることを、再度学校で時間をかけてまたやるというのは苦行です。

確かに、学校の学年に応じたカリキュラムが、子どもの成長の足かせになることもあります。

逆に、高度すぎる内容の宿題は、十分な知識がないと、子どもの思考が促されず、手も足も出ない状況を生みます。

学校という集団生活の中では様々な子どもがいます。ご家庭の教育方針もまたそれぞれです。さらに、先生側の事情もあります。

制度や仕組みが急激に変化し、自分の子どもにとって全て良い方向に向かうということを期待するより、今の状況でどう宿題を活用できるかを考えましょう。

学校の宿題を全否定するのではなく、学校の宿題を利用して学力を高めるポイントを最後に紹介します。

学校の宿題との向き合い方

深く学べる学校の宿題

塾は進度も速く、高い難易度の問題を解く方法などを学べます。何より受験を突破するための勉強ができます。

そこで塾に通う子ども達からよく聞かれるのが、

「学校の勉強は簡単すぎ」
「塾でやったことばっかでつまんない」
「全部知ってる」

といった類のことです。

しかし、学校の教科書を見るとかなり難易度の高いことまで扱っています。

さらに、小手先の問題の解き方ではなく、「日常でどのように知識が活用できるのか」「勉強する分野の歴史」「単元と関連したエピソード」「実際の詳細な写真」なども記載されています。

習っていることと日常を関連させて考えることは、子ども達は苦手です。また、科学などにおいて、言葉は知っているものの実際の写真や映像は見たことがない子どもはたくさんいます。

問題は解けるものの、問題には出題されない学問の奥深さは学校の教科書にはあります。

宿題を解くときに、知識が既にあるならさらに次のように深めて学んではどうでしょうか。

  • 漢字練習⇒意味、語源、熟語など調べ知識を深める
  • 計算練習⇒別の解き方を3つ考える、より効率的な解法を見つける
  • 音読⇒暗唱できるまで極める、文章の出典を調べ本を読む
  • 社会⇒用語から自分で問題を作ってみる
  • 理科⇒本やネットで言葉を調べる
  • 日記⇒使ったことのない言葉を使って表現してみる

「自主学習ノート」は使い方次第

「自主学習ノート」「自学ノート」「宿題ノート」など呼び方は地域・学校で様々ですが、自分で宿題の内容を決め勉強するノートです。

  • 徹底的に使い倒そう

勉強内容を指示されていなければ、「先生に見せるためのノート」という考えを捨て、自分の目標に応じた勉強をやりまくりましょう(^o^)丿

中学入試、高校入試において、通知表の成績、つまり提出物の評価も得点に加味される学校が多くあります。

しかし、先生に「勉強している子」と思われることが目的ではなく、学力を高めることが勉強の目的ではないでしょうか。

  • お化粧をしたノートはすぐばれる

ちなみに、先生も、勉強している風のノートは見破れます。何かを書き写したノートはわかります。

さらに、親が書いたノートもすぐわかりますよ(~_~;)

かえって低評価になります。

  • 塾の宿題で使う

塾の宿題もできて一石二鳥。

学校の先生に直接相談する

先生に直接連絡をとり、個別の事情を理解してもらいましょう。学校の事情も聞いたうえで、宿題の内容を工夫できないかお願いしてみるのです。

  • 県外の最難関の学校へ進学を考えている
  • 私立中学へ受験する
  • 将来東京大学を目指している
  • 英語は既にペラペラで簡単すぎる
  • 数学検定で既に1級に合格するほど習熟している
  • 帰国子女で日本語に難がある など

クラスの運営は、先生がどんなに気を配っても、大多数の子どもが中心になります。

言い方は良くないかもしれないですが、クラスで少数の立場になっているときは、優先順位が低くなりがちです。

直接コミュニケーションをとることで、学校の負担にならず、子どもにとっても身になる宿題のやり方があるはずです。以下のような取り組みをやっているご家庭もあります。

  • 宿題内容が簡単すぎる⇒志望校の過去問の解き直しを「自主学習ノート」に解く、次学年で習うことを解く
  • 既に英語が堪能⇒英語の宿題の代わりに漢字の練習をする
  • 計算ができない⇒前学年の単元の計算を宿題とする

  • 希望と意見を押し通そうとしない

学校の先生も学力を高めるために、意図をもって宿題を提示しているかもしれません。

必ず学校側の意見も親身になって聞き入れましょう。

以上が宿題に関する内容でした。

学校の宿題を軽んじて「くだらない」と投げ捨てる前に、宿題を出した先生の意図まで考えられるようにすると、学校の宿題に対する取り組み方も変わります。

子どもが、先生が求めていることを理解しようと考える。これだけでも人として成長しますし。

学校と学習塾を切り離して考えず、連携して学びを深めれば、子どもが混乱せず成長できるのではないでしょうか。