
今回は、漢検の紹介・勉強のすゝめです。
- 勉強の基礎である「読み・書き」の力を伸ばしたい人
 - 国語の力を伸ばしたい人
 - 国語に関する資格を取得したい人
 - 「学び直し(リカレント)」を考えている人
 
などは、漢字検定の活用をおすすめします。
また、漢検を取得しておくと就職・入試の際に評価を受け有利に働きます。企業の研修制度などにも採用され、資格手当として給与がアップする会社などもあり、社会で広く利用されています。
漢字検定の概要

実施団体
公益財団法人 日本漢字能力検定協会(The Japan Kanji Aptitude Test)により実施されています。
- 1975年創立
京都府祇園町に本部が置かれ第1回を実施
当初は15級~5段の20段階
 - 1992年財団法人に認定
文部省より認定の資格とされ、7~1級の8段階(準1級含む)となる
 - 1995年「今年の漢字」開始
全国から1年を表す漢字1字が募集され、毎年清水寺で披露
開始した1995年の漢字は「震」(阪神・淡路大震災、地下鉄サリン事件、経済不安、政治不信などの「震えた」という回答が多数)
 - 1999年
~
2006年級を新設1999年準2級,2000年8級,2006年,9・10級を新設され現在12段階
 - 2002年漢検CBT
コンピューターを使って漢検(2~7級)を受検するシステムを開始
 - 2013年公益財団法人として認定
内閣府より認定される
 
「社会生活に必要な日本語・漢字の能力を高め、広く日本語・漢字に対する尊重の念と認識を高める」ことを理念に以下の活動が行われています。
- 普及啓発・教育支援
 - 調査・研究
 - 日本語能力育成
 
概要
漢字の「読み書き」の知識量だけでなく、漢字の意味、文章中で使える能力も測ります。
| 級 | レベル | 対象漢字数 | 合格基準 | 時間 | 
| 1級 | 大学・一般 | 約6000文字 | 200点満点80%程度 | 60分 | 
| 準1級 | 大学・一般 | 約3000文字 | 200点満点80%程度 | 60分 | 
| 2級 | 高校卒業 | 2136文字 | 200点満点80%程度 | 60分 | 
| 準2級 | 高校在学 | 1940文字 | 200点満点70%程度 | 60分 | 
| 3級 | 中学卒業 | 1607文字 | 200点満点70%程度 | 60分 | 
| 4級 | 中学在学 | 1322文字 | 200点満点70%程度 | 60分 | 
| 5級 | 小学6年修了 | 1006文字 | 200点満点70%程度 | 60分 | 
| 6級 | 小学5年修了 | 825文字 | 200点満点70%程度 | 60分 | 
| 7級 | 小学4年修了 | 640文字 | 200点満点70%程度 | 60分 | 
| 8級 | 小学3年修了 | 440文字 | 150点満点80% 程度 | 40分 | 
| 9級 | 小学2年修了 | 240文字 | 150点満点80%程度 | 40分 | 
| 10級 | 小学1年修了 | 80文字 | 150点満点80%程度 | 40分 | 
毎年2百万人程度が志願し、合格率は50%程度になっています。

ただし、級によって合格率は大きく異なります。例として2019年度第1回の合格者を確認してください。
| 級 | 受検者 | 合格者 | 合格率 | 
| 1級 | 1,191人 | 93人 | 7.8% | 
| 準1級 | 4,946人 | 760人 | 15.4% | 
| 2級 | 52,817人 | 9,521人 | 18.0% | 
| 準2級 | 92,894人 | 26,956人 | 29.0% | 
| 3級 | 139,832人 | 62,873人 | 45.0% | 
| 4級 | 71,927人 | 37,858人 | 52.6% | 
| 5級 | 63,300人 | 47,011人 | 74.3% | 
| 6級 | 29,413人 | 23,574人 | 80.1% | 
| 7級 | 28,887人 | 24,962人 | 86.4% | 
| 8級 | 29,269人 | 24,748人 | 84.6% | 
| 9級 | 24,176人 | 22,239人 | 92.0% | 
| 10級 | 19,684人 | 18,897人 | 96.0% | 
小学生低学年レベルは合格率が高い問題設計になっているのでしょう。
子どもに自信をつけさせたい方には、有効活用できそうです。
※CBTとは CBT(Computer Based Testing)とは試験をコンピュータ上で行うことです。
資格のレベルや認定については、紙での検定と変わりません。システムを採用している会場で受検できます。
メリットとして、試験の約8日後に合否確認ができ、約10日後に結果が郵送されることです。紙による試験よりも早く合否を確認できます。
デメリットとして、2級~7級までの受検に限ることが挙げられます。
試験の詳細【漢検】

出題内容
各級に応じて、小学校の配当漢字や常用漢字などから出題されます。
| 1 級  | 準 1 級  | 2 級  | 準 2 級  | 3 級  | 4 級  | 5 級  | 6 級  | 7 級  | 8 級  | 9 級  | 10 級  | |
| 読み書き | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 
| 故事・諺 | ○ | ○ | – | – | – | – | – | – | – | – | – | – | 
| 部首・部首名 | – | – | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | – | |
| 対義語 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | – | – | 
| 類義語 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | – | – | – | – | 
| 同音異字 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | – | – | – | 
| 同訓異字 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | – | – | – | – | 
| 同じ漢字の読み | – | – | – | – | – | – | – | – | – | ○ | – | – | 
| 誤字訂正 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | – | – | – | – | – | 
| 四字熟語 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | – | – | – | – | – | 
| 三字熟語 | – | – | – | – | – | – | – | ○ | ○ | – | – | – | 
| 熟語の構成 | – | – | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | – | – | – | – | 
| 送り仮名 | – | – | – | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | – | – | 
| 筆順画数 | – | – | – | – | – | – | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 
また、級別に取り扱われる一覧を下記から閲覧することもできます。
学年などで級の目安は分かりますが、「受検級目安チェック」から問題を解くことができます。自動採点もされ、数分で終了します。一度問題にチャレンジしてから受験する級を決めるといいですね。
実施回数・場所・検定料
主に6月・10月・2月に実施されます。
ただし、漢検CBTであれば受験日以外でも受験可能です。年3回ある特定の日にどうしても受検できないばあいは助かります。
詳しくは、こちらから申し込みや確認ができます。
学校、専門学校、塾など至る所で受検可能です。
| 級 | 検定料 | 
| 1級 | 5,000円 | 
| 準1級 | 4,500円 | 
| 2級 | 3,500円 | 
| 準2~4級 | 2,500円 | 
| 5~7級 | 2,000円 | 
| 8~10級 | 1,500円 | 
英検などの英語の資格検定よりも受検料は割安になっているのが分かります。気軽に申し込めます。

漢検対策ツール【無料】
漢検はWeb上で対策できるサイトやアプリはたくさんあります。その中でおすすめのサービスを紹介します。
漢検合格に向けて問題やポイントを掲載しているサイトです。全級に対応し、問題・出題形式も豊富です。
読み・書き・部首・対義語・四字熟語などの問題を掲載しているサイトです。漢字の学習や漢字検定試験などの対策に役立ちます。
漢検協会公式アプリです。全級対応です。
小学生向けのアプリです。キャラクターとコミュニケーションを取りながら楽しく漢字を学べます。
入試への活用【漢検】

漢検協会の調べによると、2級・準2級が多く評価・活用されていることが分かっています。以下は級ごとの大学入試への活用している大学数です。
| 1級 | 準1級 | 2級 | 準2級 | 3級 | |
| 出願要件 | 0 | 2 | 37 | 26 | 11 | 
| 入試一部免除 | 0 | 0 | 6 | 8 | 0 | 
| 点数加点 | 2 | 0 | 26 | 35 | 37 | 
| 合否判定 | 0 | 1 | 14 | 12 | 12 | 
こちらから志望する大学に活用されているかどうかを検索することができます。
高校の約2校に1校が漢検を入試で活用しています。目安は3級以上です。
以下は級ごとの評価・活用する高校数です。
| 級 | 活用校数 | 
| 準1級(大学・一般程度) | 4校 | 
| 2級(高校卒業程度) | 332校 | 
| 準2級(高校卒業程度) | 224校 | 
| 3級(中学卒業程度) | 796校 | 
| 4級(中学在学程度) | 112校 | 
| 5級以下 | 25校 | 
学校による評価は変わりますが、推薦入試の判断材料としている高校が多くあります。
地域の比較的に偏差値の低い高校は、3級があれば最高評価を受けられます。
地域の比較的に偏差値の高い高校は、2級があれば最高の評価を受けられることが多くあります。
最後に... ※漢検協会の過去 2009年創業者親子が逮捕された事件がありました。 関連4社との協会との間での利益相反取引を通じて 創業者親子が不当に多額の利益を得て背任罪で起訴され 有罪が確定した事件です。 2018年賠償を求めた協会と創業者側が高裁で和解、 解決金として約3億6千万円を支払うなどの内容です。 しかし漢検事態に価値が下がるわけではありません。 上手に利用し能力を上げることに変わりはありません。
では、今回は以上になります。
国語の基礎である漢字は、ぜひ小学生には挑戦してもらいたいです。
また。中・高・大の入試には必ずと言っていいほど漢字は出題されます。また、文章の中には必ず漢字が存在し、その意味を把握しておく必要があります。
社会人になっても漢字は必需品ですので、漢字検定を自分磨きに利用してはどうでしょうか。それでは(^^)/
  
  
  
  


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