【覚えてムダ?】学んだことは必ず忘れます【覚えるコツ】

こんにちは、学ぶことについてまとめています。

前に会った人の名前が思い出せないなど日常でも、覚えたことがでてこないことってありますよね。

勉強しているときでも、覚えたはずのことが頭に浮かばないことは日常茶飯事です。

そもそも人間は、忘れる生き物です。

大事なことを忘れては困りますが、嫌なことを経験したり、辛辣なことを言われたりして、しばらく気分が悪くなっても、数か月たつときれいに忘れ去られることもよくあります。

人間の良い特性と言ってもよいでしょう。

覚えようとしても、人間は絶対に忘れてしまいます。覚えようとすることはムダなのでしょうか。

エビングハウスの忘却曲線【人は忘れる】

ヘルマン・エビングハウスをご存知の方はいると思います。

ドイツ人の心理学者のエビングハウスは、哲学博士を取得後、記憶の研究結果を「記憶について:実験心理学への貢献」を出版しました。この出版物の功績は大きく、のちにベルリン大学の教授となり研究を続けました。

エビングハウスの記憶に関する実験で、以下のような学習と忘却の関係を調べる実験を行いました。

  1. 意味のない音節(rit、pek、tas、・・・など)を記憶する
  2. この時、全て記憶できるまでにかかった時間(または回数)を記録する
  3. 時間が経過した後に、もう一度記憶するまでの時間(または回数)を記録する
  4. 「節約率」を割り出す

「節約率」とは

1回目に記憶した時間(または回数)に対して、再び記憶するまでに必要とした時間(または回数)の割合のこどです。

例えば、「rit」という音節を覚えるのに、最初は5分かかったとします。

時間が経過した後に、再度「rit」という同じ音節を覚え直すのに今度は1分かかった場合、節約された時間は、5分-1分=4分です。節約率は、4分÷5分×100で節約率は80%となります。

つまり、1度覚えたことを、もう一度覚え直すときに、1回目より80%覚えやすくなったということです。1回目より80%少ない労力で覚えられたことがいえます。

この実験結果をまとめたものが、以下のような「忘却曲線」と呼ばれるグラフです。

上のグラフからわかることは、最初に覚えたことは1日の間に急激に忘却するということです。

最初に覚えたことを、再び覚え直す節約率は、経過して半日もしないうちにに50%をきります。

1日経過すると、約30%の節約率、つまり初めて記憶したときの労力の約70%を要してようやく覚えられるということです。

1日経過すれば、 苦労して記憶したことも、最初の労力ほどではないですが、最初の70%の苦労をしなければ、完全には覚え直すことができないということです。

少し難しいややこしい話でしたが、要は覚えたことは、1日で急速に忘れ、覚え直すことにも再び労力をようするという悲しい実験結果です(T_T)

人は忘れる生き物と心得る【覚え直しは日数をあけすぎない】

ここまでは、1度覚えたことを再び覚え直すのにどのくらいの労力を要するのか見てきました。

この実験で、1日おきに覚え直しをしたらどうなるでしょうか。

この結果の簡易的なグラフが以下のようになります。

先ほど同じく、縦軸が節約率、横軸が日数です。

緑の線は、2日目以降にも、同じものを覚え直した結果になります。

2日目以降は前日に比べて、節約率が高くなっているのが分かりますか。つまり、最初に覚えたときよりも、はるかに少ない労力で覚えられるということです。

したがって、記憶は、急激に忘れ去られる前に、覚え直すことでより少ない労力で覚え直しができ、結果的に定着しやすくなります。

下のグラフには、忘却曲線に赤い矢印がありますが、継続して覚え直すことで、覚える労力も少なくなることが、矢印の長さで分かるかと思います。

  • 次の日にはすぐ覚え直すべき(時間が経過すると覚え直す労力が増えるため)
  • 間隔あけすぎず継続して覚え直し長期記憶にする(節約率が高いうちに覚え直す)

より少ない労力で効率よく、短期記憶から長期記憶に変えるためには、やはり、長いスパンをあけすぎず、復習することが必要です。

教育現場でも、優秀な人ほど、基本的なことを何度も丁寧にやっているのをよく目にします。「そんな基本的なことはもうやらなくてもいいんじゃない!?」と言いそうになることもしばしば。

賢い人は、頻繁に基本的なことを復習しています。同じ情報を何度も脳が受け取り続ければ、「覚えなければならない重要な情報」と認識し、長期記憶となるのも早いのでしょう。復習のタイミングはお早めに(^^)/