こんにちは、「学ぶことは真似ることから」まねこです。
プログラミング教育は、2020年度から小学校で必修化され注目が高まっています。
今回は、プログラミング教育で学ぶことをざっくりと見ていきましょう。
プログラミング教育で学ぶことは?【新しい時代に必要な資質・能力】
なぜプログラミング教育を導入するの?
技術革新の急速な進展
⇒コンピュータの仕組みを理解する必要性
現在コンピュータは、家電や自動車をはじめとする様々なものに内臓され、生活には欠かせないものです。今後も急速に技術は進歩し、以下のように見通されています。
コンピュータそのもの、コンピュータを利用して得られる情報を活用していくことが不可欠な社会となっています。
そもそもコンピュータは人が命令を与えることで動作します。この命令が「プログラム」であり、命令を与えることが「プログラミング」です。
コンピュータを主体的に活用するためにも、動作する仕組みを理解する必要があるのです。
技術革新による社会変化⇒Society5.0へ
AIやIoT、ロボット、ビックデータなどの技術をあらゆる産業や社会に取り入れることで実現する新しい社会(Society5.0)となります。総務省より以下のような動画で、未来の社会や家族が描かれています。(高画質多視点映像、自動運転、農業への活用、遠隔医療、翻訳、高画質ライブ映像、音楽セッション)
サイバー空間とフィジカル(現実)空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会です。
この社会においてコンピュータの仕組みの理解が求められるため、プログラミング教育は導入されます。
プログラミング教育はどんな能力がつくのか?
学校教育では以下の「資質・能力の三つの柱」 をバランス良く育むことを目指します。
- (実際の社会や社会の中で生きて働く)知識及び技能
- (未知の状況にも対応できる)思考力・判断力・表現力等
- (学んだことを人生や社会に生かそうとする)学びに向かう力、人間力等
これらの資質・能力を各教科を学習することで養っていきます。
その学習の基盤となる資質・能力の1つに”言語能力”があります。同様にプログラミング教育により獲得が期待できる”情報活用能力”も学習の基盤となり生きるうえで必須な資質・能力と考えられています。
プログラミング教育⇒”情報活用能力”をつける
※情報活用能力とは...
コンピュータなどで情報を、収集・整理・比較・発信・伝達したりする力。基本的な操作技能、プログラミング的思考、情報モラル、情報セキュリティ、統計等の資質・能力を含む。
小・中・高を通して”情報活用能力”を養っていきますが、小・中・高で学ぶ内容は異なってきます。
- プログラミングを体験を通して、コンピュータに意図した処理をさせる
- 算数、理科、総合的な学習でプログラミングを利用
技術家庭科において、
- 計測・制御のプログラミングを学ぶ
- ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツを学ぶ
情報科において
- 「情報Ⅰ」を新設しプログラミング・ネットワーク・データベースの基礎を学ぶ
- 「情報Ⅱ」で発展的に学ぶ
”情報活用能力”獲得するねらいは?
”情報活用能力”⇒コンピュータなどで情報を、収集・整理・比較・発信・伝達したりする力。
と先ほど記載しました。
社会変化に対応するため、プログラミング教育により”情報活用能力”を獲得する必要性は理解できます。具体的にはどのようなねらいがあるのでしょうか。
ざっくり3つの目的があります。
※プログラミング的思考とは 自分が意図する一連の活動を実現するために、 どのような動きの組合せが必要であり、 一つ一つの動きに対応した記号を、 どのように組み合わせたらいいのか、 記号の組合せをどのように改善していけば、 より意図した活動に近づくのか、 といったことを論理的に考えていく力
プログラミングを通して、論理的な思考力を養います。コンピュータを動作させる手順を例に挙げます。
1.コンピュータにしてもらいたいこと(動き)を明確にする
2.コンピュータの動きの順序を考える
3.一つ一つの動きを対応する命令(記号)に置き換える
4.命令(記号)をどう組み合わせれば自分が考える動きを実現できるかを考える
5.命令(記号)の組合せをどう改善すれば自分が考える動きになるかを試行錯誤しながら考える
この仕組みを体験的に学びプログラミング的思考力をつけていきます。
- コンピュータはプログラムで動いていること
- プログラムは人が作成していること
- コンピュータには得意なこととなかなかできないこととがあること
- コンピュータが日常生活の様々な場面で使われており、生活を便利にしていること
- コンピュータに意図した処理を行わせるためには必要な手順があること
今後の生活でコンピュータを活用するうえでの必要な基盤となります。
※小学校のプログラミングにおいて アルゴリズムや表現方法、ネットワークなど 仕組みは中学校と高校で行います。 プログラムの”働き・良さ”、情報社会が コンピュータをはじめとする情報技術によって 支えられていることに「気付く」ことが重視されます。
コンピュータの働きを、よりよい人生や社会づくりに生かそうとする態度を養うねらいもあります。
3つ以外にも、各教科の内容を指導する中で実施され、各教科の学ぶ内容をより確実なものにするねらいもあります。
プログラミング教育の事例
小学校でプログラミング教育が扱われる事例です。
教科 | 学年 | 事例 |
算数 | 小学5年 | 正多角形をプログラムを使ってかこう |
理科 | 小学6年 | 電気を効率よく使うにはどうしたらよいかを考えよう |
総合 | 小学5・6年 | 豊かな生活とものづくり |
総合 | 小学3~6年 | まちの魅力PR |
家庭 | 小学6年 | 家族と食べる朝食を考えよう |
図工 | 小学5年 | プログラミングで動く工作 |
図工 | 小学5年 | 形や色を組み合わせて、オリジナルのもようをつくろう |
音楽 | 小学3年 | 動物が楽しく踊るリズムループをつくろう |
社会 | 小学5年 | ブロックを組み合わせて47都道府県を見つけよう |
国語 | 小学5年 | 敬語の使い方を考えよう |
今後の課題
学校のICT環境整備が喫緊の課題です。
- 無線LANの整備
- 超高速インターネットの接続
- 教育用コンピュータの用意
- 電子黒板の整備
- ICT支援員の配置
- プログラミングに関する教員の養成
これらの課題に対して、「財政措置」「プログラミング教育に関する動画配信」「会社訪問による授業」などの対策が講じられています。
では、今回は以上になります。
小学生のプログラミング教育必修化で注目されましたが、単に流行りで取り入れられたわけではありません。
新しい社会に生きる子供たちが、生きる能力として必要なんですね。プログラミング言語を用いてプログラムのソースコードを記述する作業(コーディング)ではなく、仕組みを学ぶとのことです。
どのような教育が展開されるのか楽しみです。それでは(^^)/